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F1はショーなのか、スポーツなのか [ニュース]

前代未聞の14台ボイコット(棄権)によって始まったアメリカGP。
残りは6台ですから、走り切れば自動的に入賞できるという異常事態です。


とっても寂しいタイミングモニターの画面(レース終了時)
(C)FOA ltd. 2005

今回の経緯をご存じない方のために、ざっと解説しておきます。

1.ミシュランタイヤに欠陥があり、レースを走るのは危険な状態になった
(最終コーナーのGにミシュランタイヤは耐え切れず、10周以上は安全に走れないとのアナウンスがミシュランからあり、実際に、R.シューマッハはフリー走行中に大クラッシュした)

2.解決策としてミシュランは、急遽フランスから持ちこむ、かわりのタイヤを使用することを許可して欲しいとFIAに提案

3.FIAは、ルール上アメリカGP用として認証を受けていないタイヤの使用は認められないと、この提案を拒否

4.ミシュランはさらに、最終コーナー前に臨時のシケインを作って、スピードを落として安全性を確保することを提案。
この場合、認証を受けたコースではなくなるため、アメリカGPはノンチャンピオンシップ(年間のポイント計算から除外)とされる。

5.FIAは、ミシュランの提案を再度拒否し、レースを通常通り行うことを決定。

6.ミシュランタイヤを使用しているチームは、フォーメーションラップを行うが、スタートせず。
※コンコルド協定により、チームは「全ての」レースに参加する義務があり、フォーメーションラップをスタートさせれば、即座にリタイヤしても、レースに参加したことになる

結果として、フェラーリ、ミナルディ、ジョーダンの6台のみでアメリカGPは行われています。

F1は、たしかにモーター「スポーツ」です。
スポーツとして考えれば、ルール上は、誰も間違ったことはしていません。
14台のボイコットも、レースの安全を考えればやむを得ない措置でしょう。
しかし同時に、F1がプロのドライバーによる「ショー」である側面を否定することは出来ないでしょう。
だからこそ、みんな高いお金を払って、F1を見に行っているのです。
私も、今年の日本グランプリのチケットに5万円支払っています。

実際に、観客からは、「金返せ!」の猛烈なブーイングが出ているようです。
帰宅していく人も多いようですし、コースに物を投げ込む不心得者までいます。
私もこのエントリ書き終わったら寝ようと思っています。
一応走ってはいますが、レースの体はまったくなしていませんから。

…と思っていたら、レースが終わってしまいました。
まさか、ジョーダンの表彰台を見られるとは思いませんでした

私見ですが、今回は持ち込んだタイヤを使用させたうえで、
ノンチャンピオンシップでの開催が一番現実的だったのではないでしょうか。
さらに、全チームの合意が得られていれば、その状態で通常に開催してもかまわないと思います。

せっかく復調の兆しを見せ始めたF1人気が、今回のようなことが起これば、
一発で元の木阿弥になってしまいます。

改悪としか思えない数々のルール改訂と車両規則の改訂、
今回のような、必要と思われる時にはなぜか行われないルールの恣意的な運用など、
チームと観客を無視したFIAの独善的な支配は、もう大概にして欲しいものです。
下手をすると、今回参加しなかったチーム全てに対して、
今期ここまでのポイント全て剥奪、ぐらいの懲罰は言い出しかねません。
このままでは、自動車メーカーによる新F1団体の設立も現実味を帯びてきます。

なお、コースに物を投げ込むのは、非常に危険な行為です。
電車に対する置き石と同じことですので、絶対にやめていただきたいと思います。
レースを走っているドライバーには、何の落ち度もないのですから。

まめ知識
もし鈴鹿で同じことが起こった場合、チケット記載の注意書きによれば、
「決勝レースがスタートした段階」で払い戻しはなくなるようです。
したがって、今回のような場合も払い戻しはなく、泣き寝入り、と言うことになりますね。


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