SSブログ

10年後にはテレビは無くなる…のか-その2 [メディア]

「編集権」という言葉があります。
平たく言えば、何をニュースとして取り上げ、何を黙殺するかの決定権は、
メディアが持っている、ということで、これが報道の自由の根幹です。

逆に言えば、メディアがニュースを作り出している、と言うことでもあります。
メディアが報道しない限り、どんな出来事があっても、当事者以外にとっては
その事件は無かったのと変わりない、と言うことです。

いわゆるマスコミが偉そうにしているのは、この編集権を持っているからです。
「無知な大衆に、報道を通じた問題提起をして、正しい道へ教え導く」のですから、
マスコミは権威を持つ、偉い存在で無ければいけなかったのです。

いままでは、ですが。

現在では、webの驚異的な発達のおかげで、
誰でも容易に情報ソースにアクセスできるようになってきました。
こうなると今度は、情報の受け手側の編集権が重要になります。
これが、「メディアリテラシー」ですね。
自分なりの価値観をきちんと持ち、情報を取捨選択する能力が、
絶対的に必要になります。

これを突き詰めていくと、今のマスコミは、通信社以外不要になってしまいます。
ほとんどのニュースは、客観的なソースさえあれば用が足りてしまうし、
評論は、自分好みの評論家を見つけて、ダイレクトにwebで読めば済むのですから。

ホリエモンは、これに近いことを提唱しているようです。
メディアの役割は大量に情報をフィードすることであって、
ニュースに重要かどうかのランクをつけるべきではない。
それは受け手側の決めることだ。
と仰っておられるようです。

そりゃそんなこと言ったら、既存のマスコミには叩かれますよ。
彼らの存在意義を、根本から否定しているわけですから。

でも、実際にはもうそうなりつつあるというのが私の考えです。
最近のwebニュースでは、編集権の持つ力が大きく減少しています。
産経新聞と朝日新聞を同時に取る人はあまりいないでしょうが、
web上でこの2つの新聞の記事を見比べるのは容易なことです。
ニュースサイトによっては、見出しが並んでいることさえあります。
このような状態では、「無知な大衆を、正しい道へ教え導こう」としても、
まずうまくいかないでしょう。

それでも、これからも彼らは懸命に抵抗するでしょう。
大衆が情報にダイレクトに、自由にアクセスできる環境を持つ世界など、
商業的にも、思想的にも、認めるわけにはいかないでしょうから。


nice!(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。