SSブログ

JR西日本関連報道の、ズレた見出し [ニュース]

このニュースは、結局なにが言いたいんだかわかりません。
ソースだけ提供したつもりなのか、言外に匂わせようとしたのか…
読売新聞自身が、評価を下しかねてるってことかもしれませんが。

JR西日本・電車区、事故後も再教育「日勤」命令

JR福知山線の脱線事故後、JR西日本の尼崎電車区(兵庫県尼崎市)の区長が、定刻より1分50秒の遅れを出した運転士に、乗務を外して再教育する「日勤」を命じていたことが17日、わかった。
 運転士は信号機がいつもと違うホームへの進入を示したことから確認のため停車し、到着が遅れたという。運転士から「安全を最優先した判断だった」と抗議を受け、同社は命令を撤回した。
 同社や関係者の話によると、運転士は今月6日午前、JR東西線の電車に乗務中、尼崎駅手前で信号機が前日までの4番線ではなく、3番線への進入を示していたため、いったん停車。無線で到着ホームの変更を確認し、運転を再開し、到着が遅れた。同社によると、電車区の社員が当日の始業前点呼で、ホームの変更を記した作業指示書を運転士に手渡したが、運転士は記載に気付かなかった。口頭での指示は行わなかった。
(読売新聞 2005年5月18日)

この記事からだけ判断すれば、これは関係者全員いけないと思うのですよ。
ある意味、羽田の管制官の事件と似ている部分も多いように思います。

この場合、
運転士は、作業指示書をよく読まなかった
電車区社員は、作業指示書の記載内容について、運転士に注意喚起を行わなかった
区長は、ろくに事情も聞かず、批判の声も上がっている日勤処分を機械的に下した
これはまぁそれぞれの落ち度ですよね。それぞれ反省していただきたい。

逆に、事故の教訓が生きていて、評価できると思うのは、
なにかおかしいと思った運転士が、疑問をそのままにせず、
停止して安全確認をする行動をとったことと、
JR西日本がその措置を認めて、処分を撤回することによって、
安全重視の企業風土を育成をする決意を、態度で示したことですね。

私が思うに、こういうベタ記事こそマスコミには突っ込んでほしいのですよ。
ホーム変更のような重要な連絡事項が目立つように、作業指示書の書式は考慮されているのか?
重要な連絡事項については、伝達する社員と運転士の間で確認しあうことになっていたのか?
このような事例の再発を防ぐため、この件について話し合いを持って、体験を共有しているか?
こういうことは、安全上とても大切なことなのですから、
いくら突っ込んでも、報道被害だの何だの言われることはないと思いますよ。

そういう意図をきちんとこめて報道しないで、
「そら来た日勤教育だ、JR西日本はけしからん!」と
見出しにつけたりするから、マスゴミだと言われてしまうのです。
ここは、「連絡ミスで電車が一時停止」あたりが妥当な線ではないかと思います。

実際、私自身もすべてのニュースを見る時間はないので、
ちゃんと読むニュースは見出しで決めることになり、
「また日勤教育叩きか」と思って、あやうく読むのを止めてしまうところでした。

新聞は社会の公器であると主張するのなら、
何でも決まった形にはめず、その背景まで明らかにして、
それなりの見識を持って報道していただきたいと思うのです。
評論無しのベタ記事書くだけなら、新聞社なんていらなくなりますよ。

ただし、このニュース自体を読売が報道しなければ
私が知る機会はなかったので、小さなネタでも拾っていく姿勢は
変えないでいただきたいとも思います。
ソースがなければ、私は考えることすらできないですからね。

そして、鉄道マンのみなさん。
今回は大事には至りませんでしたが、
鉄道といえば、「指呼確認」の元祖と言われているわけです。
口に出して、指を差して確認することの意味を、もう一度考えてみて欲しいと思うのです。


nice!(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。