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小学生にもわかる、『中国反日暴動の背景』 [中国反日行動]

前のエントリでご要望をいただいたので、駄文を連ねてみました。
歴史認識など、非常に難しい部分もあるのですが、努めてニュートラルな記述にしたつもりです。
事実誤認などのご指摘がありましたら、コメントをいただければと思います。

(大幅に加筆修正したので、再アップしました)
さらに追記:コメントでご意見をいただいた部分に手をいれ、外交特権の説明を追加しました。


(歴史的背景)


もう何十年も前ですが、日本は中国に攻め込んで、戦争をしたことがあります。
そのとき、日本は中国の人々にいろいろとひどいことをしたのです。

そして戦争が終わっても、日本と中国は、おとなりの国なのにお付き合いをしてきませんでした。
これは、中国の国の仕組みが「共産主義」というしくみで、日本の「資本主義」というしくみとは仲が悪かったからです。

中国にも共産主義に反対する人がいて、その人たちは中国を逃げ出し、台湾(中華民国)という国を作りました。
台湾は日本と同じ資本主義の国なので、日本は中国(中華人民共和国)ではなく、台湾が中国の代表だと決めて、中国ではなく台湾と仲良くしてきました。

しかし30年ほど前、このままではいけないと、日本と中国で話し合って、普通にお付き合いすることに決めました。
そのときに、いくつかのことを日本と中国の間で約束しました。

1.日本は、戦争で中国にたくさん迷惑をかけたことをあやまること
2.日本は台湾とのお付き合いをやめて、中国とだけ付き合うこと。そして、台湾は国ではなく、中国の一部だと考えるようにすること
3.日本が戦争のときに中国から取り上げた中国のお金やものは、もう返さなくてもいいこと
4.そのかわり、中国の人々の生活が良くなるように、中国にお金をあげたり、貸したりすること

このようにして、日本と中国は、ようやくお付き合いを始めたのです。
しかし、日本と台湾は、ずっと仲良くしてきたので、いまでも親しい気持ちを持っている人もたくさんいますし、ものの売り買いがとても盛んなので、まったく付き合いをやめることはできません。
ですから、日本の人々の中には、台湾と中国をべつの国だとかんがえて、台湾とも仲良くお付き合いするほうがいいと思っている人もたくさんいます。
しかし中国にとっては、それはとても悪い考えかたで、中国とした約束を、日本がやぶろうとしているのではないかとうたがっているのです。

(反日教育問題)

今でも、日本は中国との戦争のことをあやまったことが、一度もないと思っている人たちが、中国にはたくさんいます。

それは、中国では、日本があやまったり、お金をだしたりしていることを、なるべく人々に教えないようにしてきたからです
共産主義の国では、新聞もテレビも、国が決めたものしかニュースにできません。
そして、日本のように、みんなが自由に意見を言うことはできないのです。

昔のように、世界のできごとを中国の人々が知らないうちはそれでもよかったのですが、インターネットのおかげで、これまで中国ではニュースにできなかったことを、人々が知ってしまうようになってきました。
そこで中国の人々は、自分の国でも、自由に意見を言ったり、いろいろなニュースを知ったりできるようにして欲しいと思うようになり、おもいきって、自分たちの意見を国に聞いてもらおうとしました。 これを、「民主化運動」といいます。
中国をおさめている人々は、中国を民主化してしまうと、中国が共産主義ではなく、資本主義の国になってしまうと心配になりました。
そこで、軍隊をつかって、民主化運動をしている人々を殺したり、つかまえて刑務所にいれたりしました。

それだけでなく、中国がとてもいい国で、何も悪いところはないと人々に思わせるために、資本主義の国々はみな悪い国で、そのなかでも日本はとても悪い国だと学校などで教えることにしたのです。
日本が中国にしている良いことはぜんぜん教えずに、むかし日本がした悪いことばかり選んで学校で教えることで、人々の不満やうらみが、日本に向くようにしたのです。
このやり方はとてもうまくいって、今の中国の若い人たちには、日本をきらっている人がとても多くなりました。

(常任理事国問題)

みなさんは、常任理事国という言葉を知っていますか?

昔、世界の国々が2つのグループに分かれて大きな戦争をしたので、人々がとてもひどいめにあいました。
この大きな戦争が第2次世界大戦です。
大きくいうと、日本と中国の間の戦争も、この中のひとつになります。
そして戦争が終わった後、これから国と国とのもめごとがあったときには、戦争ではなく、話し合いで決めるようにしようといろいろな国がやくそくしてできたのが、国連(国際連合)です。
国連を作るときに、約束をやぶる国がもしあったら、きちんとこらしめることができるように、第2次世界大戦に勝った、アメリカ・イギリス・フランス・ソ連(今のロシア)・中国の5つの国に、とくべつに強い力をもたせることにしました。
これが常任理事国です。

そのころの日本は、戦争に負けた国だったので、常任理事国になることはできませんでした。
しかし、何十年も日本人はがんばってはたらいたので、いまでは世界のなかでも立派な国になりました。
そこで、同じように立派になったドイツなどといっしょに、日本も新しく常任理事国になろうと考えました。

しかし、中国は日本が常任理事国になるのがおもしろくありません。
中国のほうが大きな国で、人もたくさんいるのに、戦争に負けた日本が、立派な国になったのがくやしいからです。
そして中国は、アジアの国々のリーダーとして、いまよりももっと力をもちたいとおもっています。そのためには、日本が常任理事国にならないほうがつごうがいいのです。
そこで、いろいろと理由をつけて、日本が常任理事国になるのを邪魔しようとしているのです。

(内政干渉)

どんな小さな国でも、自分の国のなかのことは、自分の国だけできめられるというルールがあります。
どんなに大きな国でも、力ずくで、よその国のおさめかたに口を出してはいけません。
これをやぶって、よその国のやりかたに口を出すことを、内政干渉といいます。

いま、日本と中国との間では、靖国神社の問題や、歴史教科書の問題がおきています。

靖国神社というのは、戦争のぎせいになった日本の軍人たちをおまつりしてある神社です。
日本の総理大臣は、戦争でなくなられた軍人たちのたましいをなぐさめ、日本のためにがんばってくれたことを感謝するために、自分たちのせんぞのお墓参りをするのと一緒で、中国との戦争とは関係なくおまいりしているのだと言っています。
しかし中国は、戦争のときにとても悪いことをした人たちも、ふつうの人たちといっしょにまつられている靖国神社に日本の総理大臣がおまいりするのは、日本が中国との戦争を反省していないだけでなく、また中国にせめこむための、じゅんびをしているからではないかとうたがっています。
ですから、中国やアジアの国々の人の、しんぱいする気持ちをかんがえて、靖国神社におまいりしないように言ってきました。

また、歴史教科書の問題というのは、中学校で歴史の勉強をするための教科書に、「新しい歴史教科書」という教科書を使ってもいいと日本がきめたことで起こりました。
この教科書は、日本は中国やアジアの国々にいろいろひどいこともしたけれど、それらの国々に良いこともしているということが書いてあったため、中国や韓国が、この教科書はまちがいだらけで、中国や韓国のことをばかにするようなことがかいてあるので、使わないようにしなさい、と言ってきたのです。

どちらの問題も、日本でも色々な考えの人がいます。
たとえば、中国と同じように、総理大臣は靖国神社におまいりしないほうがいいと考える人もたくさんいますし、自分たちのせんぞのたましいをなぐさめるためにおまいりしているのだから、やめるひつようはないとかんがえるひともまた、たくさんいます。

しかし、どちらの問題も、日本の国の中の問題ですから、中国などのよその国が、こうしなさい、ああしなさい、と言うのは、内政干渉になるのです。
でも、ほかの国と仲良くするためには、じぶんたちのかんがえばかり言うのではなく、相手の国の人々のはなしもよくきいて、それから答えを出すようにすることが、とてもたいせつです。


(外交特権)

国と国とのお付き合いのことを、外交といいます。
そして、じぶんの国をだいひょうして、お付き合いがうまくいくように、いろいろなしごとをするひとを、大使といいます。
そして、大使がしごとをするばしょが大使館です。
日本も、たくさんの国に大使をいかせていますし、東京にはたくさんの国の大使館があります。

外交について、せかいの国々は、ウイーン条約というやくそくをむすんでいます。
このやくそくでは、大使のことを、住んでいる国のけいさつがつかまえたり、大使館のなかに、ゆるしをもらわずにはいったりしてはいけないときまっていて、これを外交特権とよんでいます。

これは、国と国とが、おたがいの考えをそんけいしあって、内政干渉をしないようにするためと、もし戦争などになっても、いつでも国と国とがはなしあうことができるようにしておくためです。

だから、中国でおきたじけんのように、大使館や大使の住んでいる家をこうげきしたりすることは、ぜったいにしてはいけないことなのです。
そればかりでなく、ウイーン条約では、中国は日本の大使や大使館を守らなければいけないときまっているのに、中国のけいさつは、大使館などがおそわれるのを、なにもせずにただみているだけでした。

ですから日本は、中国のけいさつが日本の大使館や大使の家をまもろうとしなかったことをあやまってほしいし、こわれた大使館や大使の家をしゅうりするお金をはらってほしいと中国に言っているのです。


(まとめ)

いま中国では、多くの人々が、日本に反対するために、道路を行進したり、日本にかんけいのある物をこわしてあばれたりしています。
ここまで読んでくれた人には、中国の人々がなぜそのようなことをするのか、少しだけわかるようになったと思います。

しかし、どんな理由があっても、物をこわしたり、あばれたりしてはいけません。
自分の考えを、わかりやすく、ていねいに話して、相手にわかってもらわなければいけません。

でもそれは、相手の言うことばかり聞くということではありません。
ものごとをきちんと考えて、自分たちがはんせいしなければいけないことははんせいして、相手がまちがっていると思ったら、どうどうと相手にそう言って、なおしてもらうことも大切です。
なぜなら、それがほんとうの友だちになる一ばんの方法だからです。


…いかがでしょうか。 感想・意見などありましたら、ぜひお聞かせください。


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